NAGICULTURE BOOK
Update 2026.08 / Ver 2.1NAGI
NAGICULTURE BOOK
NAGI CULTURE BOOK2026.08 / 02
NAGICULTURE BOOK
会社が大きくなると、判断の数が増えます。全部を上長に聞くわけにはいかないし、聞いていては現場が止まります。だからこのブックは、一人ひとりが自分で判断できるようにするために書かれています。
書いてあるのは、私たちが何を大事にしていて、どういうときにどう振る舞うと決めたか。守るべき規則ではなく、判断の材料です。ここに書かれていない場面のほうが多いので、そのときは書かれている考え方から自分で決めてください。
誰に向けたものか
選考中の方、入社したばかりの方、そして判断に迷った全員に向けたものです。
どう使うか
最初から通して読むのは入社時の 1 回だけで十分です。以降は、迷った章だけを開いてください。
いつ更新するか
半年に 1 回、内容を見直します。実態と合わなくなった記述は削除します。追加より削除を優先します。
NAGI CULTURE BOOK2026.08 / 03
01MISSION
NAGI CULTURE BOOK2026.08 / 04
01MISSION
海の状態を測って、判断できる形にして届けています。
株式会社ナギは、沿岸の海洋データを観測し、養殖・漁業の現場が使える判断材料に変えて提供しています。
①観測
沿岸に設置した観測ブイと係留式センサーで、水温・塩分・溶存酸素・潮流を 10 分ごとに取得
②データ
観測値と気象・海況モデルを組み合わせ、24〜72 時間先の推移を推定
観測推定推定の幅
左:観測(10 分ごと)/右:24〜72 時間先
③判断支援
「いつ給餌するか」「いつ網を上げるか」を判断できる形にして、現場のスマートフォンに届ける
私たちがつくっているのは予報ではありません。予報は既にあります。足りないのは、その予報を「自分の生簀(いけす)でどうするか」に翻訳する部分です。そこを埋めています。
NAGI CULTURE BOOK2026.08 / 05
01MISSION
海の変化を、
手元の判断に変える。
沿岸の環境は 10 年前より速く変わっています。水温が上がり、獲れる魚が変わり、これまでの経験が当てはまらない場面が増えました。
経験が効かなくなった場所では、測るしかありません。しかし測っただけのデータは、現場では使えません。水温が 24.3 度だと分かっても、それで給餌を止めるかどうかは別の話です。
私たちの仕事は、測ることと、判断に変えることの両方です。片方だけでは意味がありません。
NAGI CULTURE BOOK2026.08 / 06
01MISSION
経験が効かなくなった海で、
まだ経験だけで判断している。
沿岸の水温は上昇を続け、これまでの目安が当てはまらない年が増えました。
それでも判断の材料は、多くの現場で今も勘と記憶です。
測る仕組みを持てるのは大規模事業者だけ、という状態を変えたい。
NAGI CULTURE BOOK2026.08 / 07
01MISSION
私たちが向き合う 3 つの相手
養殖事業者
定置網漁業者
自治体・漁協
立場
生簀で魚を育て、給餌と出荷の時期を判断する
定置網を設置し、水揚げの見込みを立てる
地域の水産業を支え、被害の予防と補償の判断をする
困りごと
水温と溶存酸素の変化が速く、給餌の判断を誤ると事故につながる
潮流の変化で網の状態が変わり、揚げに行く判断が難しい
被害が出てからしか状況が把握できず、事前の周知が間に合わない
関わり方
生簀単位の観測と 48 時間先の推定を提供し、給餌計画の判断材料にしてもらう
潮流と水温の推移を共有し、出漁の判断と網の点検時期に使ってもらう
海域全体の観測データを提供し、注意喚起の判断と記録に使ってもらう
NAGI CULTURE BOOK2026.08 / 08
02VISION
NAGI CULTURE BOOK2026.08 / 09
02VISION
どの規模の事業者でも、
測ったうえで
判断できる状態にする。
観測は、大規模事業者だけのものではないはずです。
小さな生簀 1 つからでも測れて、使える。それが達成された状態を目指しています。
NAGI CULTURE BOOK2026.08 / 10
02VISION
観測地点数
現在214地点
2029年
900 地点
沿岸の主要な養殖海域を、10km 間隔で覆う
契約事業者数
現在386事業者
2029年
1,500 事業者
うち従業員 5 名以下の事業者を半数以上にする
推定精度(水温・48時間先)
現在平均誤差 0.42℃
2029年平均誤差
0.20℃
給餌判断に使える水準まで下げる
※ 現在の値は 2026年7月時点。推定精度は当社の観測地点における実測値との比較。
NAGI CULTURE BOOK2026.08 / 11
02VISION
3 つのレーンで進めます
2026
2027
2028
2029
レーン 1 / 観測網
214地点。太平洋側の主要海域を中心に設置
400地点。日本海側へ展開。低コスト型ブイの量産開始
650地点。設置作業を地域の事業者へ移管
900地点。保守を含めた地域運用へ
レーン 2 / 解析
水温・塩分・溶存酸素の 48 時間推定
潮流の推定を追加。生簀単位の粒度へ
72 時間推定。魚種別の給餌指標を提供
事故リスクの事前通知
レーン 3 / 提供先
養殖事業者・定置網漁業者
漁協・自治体向けの海域ダッシュボード
保険・金融向けのデータ提供
流通事業者向けの供給見通し
NAGI CULTURE BOOK2026.08 / 12
03VALUE
NAGI CULTURE BOOK2026.08 / 13
03VALUE
NAGI CULTURE BOOK2026.08 / 14
03VALUE
現場を見てから決めます。会議室で仕様を決めて、あとで「実際には使えない」と分かるほど高くつくものはありません。
私たちのユーザーは、片手が塞がった状態で、濡れた手袋のままスマートフォンを操作します。その前提は、現場に立たないと分かりません。
全職種が対象です。エンジニアもデザイナーも、年に 2 回以上は現場に行きます。
こういう場面で使う
新しい画面を設計するとき、実際にその画面を見る人の作業を見てから描く
「使いにくい」という声が来たら、まずどの場面で使っているかを聞く
NAGI CULTURE BOOK2026.08 / 15
03VALUE
印象ではなく観測値で話します。「だいたい正確」「かなり速い」では、次に何をすればいいか決まりません。
同時に、数字を出すときは測り方も一緒に出します。条件を書かない数字は、数字の形をした印象です。
「分からない」も数字で言えます。「精度は分かっていません」は正しい報告です。
観測値
推定値
推定を報告するときは、比較した観測値と、その対象海域・期間を必ず添えます。
こういう場面で使う
精度を報告するとき、対象海域・期間・比較対象を必ず添える
施策の効果を話すとき、比較した期間と条件を先に言う
NAGI CULTURE BOOK2026.08 / 16
03VALUE
完璧を待ちません。ただし、二歩先には行きません。
現場は、今日の判断に使えるものを必要としています。3 年後に完成する完璧な仕組みより、来月から使える半分の仕組みのほうが価値があります。
一方で、現場が理解できない機能を先に作っても使われません。半歩は、相手が付いてこられる距離です。
こういう場面で使う
機能を出すか迷ったら、対象を絞って一部の事業者に先に出す
「まだ精度が足りない」と思ったら、精度を明示したうえで出す判断をする
NAGI CULTURE BOOK2026.08 / 17
03VALUE
自分がいなくても回る形にします。属人的な運用は、始めるのは速いが、続きません。
観測ブイの保守も、コードも、顧客対応も同じです。手順を書き、判断の理由を残し、引き継げる状態にしてから次に進みます。
これは丁寧さの話ではなく、速度の話です。引き継げないものは、作った人を縛ります。
こういう場面で使う
自分しか触れない仕組みができたら、その時点で共有の時間を取る
NAGI CULTURE BOOK2026.08 / 18
03VALUE
同じ場面でも、言い方で結果が変わります。
「先週の現場で、3 人中 2 人がこのボタンを押せていませんでした」
「手袋のままだと押しにくい大きさですね。何 mm ありましたか」
→ 観測した事実の話になり、次の手が決まる
「数字で話す」は、正しさを競うためではなく、話を前に進めるためにあります。
NAGI CULTURE BOOK2026.08 / 19
04STANDARD
NAGI CULTURE BOOK2026.08 / 20
04STANDARD
「私はこう思う」より、
「うちはこうする」のほうが言いやすい。
誰かの振る舞いに違和感を持ったとき、個人の意見として伝えるのは負担が大きい。
会社として決まっていることなら、指摘する側も受ける側も軽くなります。
スタンダードは、言いにくいことを言えるようにするための決めごとです。
NAGI CULTURE BOOK2026.08 / 21
04STANDARD
10 のスタンダード
01会議は、議題と「決めること」を先に書いてから開く
06決まったことは、決めた理由も残す
02「わからない」は、最初の 30 分で言う
07助けを求められたら、まず「いつなら見られるか」を答える
03現場で聞いた言葉は、要約せずそのまま記録する
08出張の翌日は、共有の時間を 30 分取る
04数字を出すときは、測り方も一緒に出す
09褒めるときは名前を出し、指摘するときは名前を伏せる
05反対するときは、代案とセットで出す
103 か月使っていない仕組みは、やめる提案をする
NAGI CULTURE BOOK2026.08 / 22
04STANDARD
01
現場を見ずに仕様を決めない
現場で使われない機能を作る時間は、二重の損失になります。作る時間と、直す時間の両方がかかります。
02
24 時間の即応を約束しない
できない約束は、信頼を減らします。対応時間は明示し、その中で必ず返します。夜間の緊急連絡先は別に用意します。
03
精度の数字を、条件なしで語らない
「誤差 0.4℃」だけでは、どの海域の、いつの、何との比較か分かりません。条件を書けない数字は出しません。
04
人を増やして解決しない
作業が増えたとき、最初に疑うのは仕組みです。採用は、仕組みを直したうえでも足りないときの手段です。
NAGI CULTURE BOOK2026.08 / 23
05PEOPLE
NAGI CULTURE BOOK2026.08 / 24
05PEOPLE
職能別
拠点別
東京(本社) / 24名宮城県石巻市 / 13名愛媛県宇和島市 / 10名
各職能の役割
エンジニア
観測機器のファームウェア、データ基盤、利用者向けアプリケーションの開発。
データサイエンス
海況モデルの構築と精度改善。観測値と推定値の突き合わせ。
フィールド
観測ブイの設置・保守、現場の運用支援。全国の海域を担当制で回る。
ビジネス開発
事業者・漁協・自治体との関係構築、料金設計、導入支援。
デザイン
現場で使える画面の設計、資料・ガイドの制作、ブランド管理。
NAGI CULTURE BOOK2026.08 / 25
05PEOPLE
8 名のメンバー
フィールドエンジニア
岸本 遥
2021年入社
前職:海洋調査会社
データサイエンティスト
甲斐 望
2022年入社
前職:気象情報サービス
ソフトウェアエンジニア
都築 陸
2020年入社
前職:組込機器メーカー
プロダクトデザイナー
芝田 千秋
2023年入社
前職:受託制作
ビジネス開発
網野 隆生
2021年入社
前職:水産流通
フィールドエンジニア
小磯 果林
2024年入社
前職:漁業協同組合
データエンジニア
早川 慧
2023年入社
前職:SaaS開発
コーポレート
三雲 沙也香
2022年入社
前職:人材サービス
NAGI CULTURE BOOK2026.08 / 26
05PEOPLE
2 つの職種の 1 日
フィールドエンジニア(宮城県石巻市・設置作業日)
05:30出港前の機材確認。前日に積み込んだ観測ブイの動作を確認します。
06:00出港。設置海域まで約 40 分。
06:40設置作業。係留と動作確認まで 1 地点あたり 50 分程度。
10:30帰港。データが届いているかをその場で確認します。
11:30昼食。
13:00事業者訪問。前回設置した地点の使われ方を聞きます。
15:00記録。設置条件と現場で聞いた言葉をそのまま記録します。
16:30翌日の準備。
17:30終業。
ソフトウェアエンジニア(東京・通常勤務日)
09:30始業。前夜のアラートと観測データの欠測を確認します。
10:00チームの朝会(15 分)。今日決めることだけを共有します。
10:15開発。
12:30昼食。
13:30設計レビュー(週 2 回)。現場で撮った写真を持ち込むことが多いです。
15:00開発。
17:00記録。決めたことと、その理由を残します。
18:30終業。
NAGI CULTURE BOOK2026.08 / 27
05PEOPLE
期待する役割と、判断できる範囲
グレード
期待する役割
判断範囲
G1
決められた手順で作業を完了できる
手順内の選択
G2
担当領域を一人で回せる
担当領域内の実装・運用判断
G3
チームの成果に責任を持つ
優先順位、進め方、外部との調整
G4
複数チームにまたがる問題を解く
体制、投資、やめる判断
G5
会社の方向を決める
事業ポートフォリオ、組織設計
評価サイクル
半期ごと(4月・10月)。自己申告 → 上長レビュー → グレード会議 → フィードバック面談の 4 段階。グレード会議には本人の上長以外に 2 名以上が参加し、判断の根拠を記録に残します。
評価は成果と行動の 2 軸で見ます。成果だけを見ると「続く形にする」が評価されず、行動だけを見ると成果が出なくても評価されます。どちらか片方では機能しません。
NAGI CULTURE BOOK2026.08 / 28
06WORKING
HOW WE WORK:どう働くのか
WORKING
NAGI CULTURE BOOK2026.08 / 29
06WORKING
働き方(2025年度実績)
平均残業時間
月 14.2 時間
(フィールド職は繁忙期に月 28 時間程度)
勤務形態
職種による。エンジニア・デザイン・コーポレートはリモート可。フィールドは現地勤務。
勤務時間
フレックスタイム(コアタイム 11:00〜15:00)。フィールドは出港時刻に合わせた変則勤務。
出張
全職種で年 2 回以上の現場訪問を必須としています(2025年度の平均 4.6 回)。
副業
事前申請制で可。2025年度は 9 名が申請。
NAGI CULTURE BOOK2026.08 / 30
06WORKING
制度(2025年度の利用実績つき)
現場往復手当
拠点外の海域へ出張する際の宿泊・移動を全額支給。前後の移動日も勤務扱い。
実績延べ 214 回
学習支援
書籍・講座・資格の費用を年 18 万円まで補助。業務との関連は問いません。
実績利用者 31 名 / 平均 9.4 万円
機材選択
業務端末を候補から選択。フィールド職は防水端末を標準支給。
実績対象者全員
看護・介護時短
1 日 2 時間まで、期間の上限なしで時短勤務が可能。
実績利用者 6 名
地域移住支援
石巻・宇和島の拠点へ移住する場合、初期費用を 50 万円まで補助。
実績利用者 4 名
資格取得(船舶)
小型船舶操縦士免許の取得費用を全額補助。職種を問いません。
実績取得者 12 名(うちフィールド職以外 5 名)
NAGI CULTURE BOOK2026.08 / 31
06WORKING
入社後 90 日
1 日目
会社
受け入れ担当(1 名)と相談役(1 名)を発表。役割を分けています
30 日目
本人
現場訪問(必須)。職種を問わず、観測地点と事業者を訪問します
90 日目
本人
振り返りの共有(30 分)。入社前の想定とのズレを話す
NAGI CULTURE BOOK2026.08 / 32
06WORKING
海のことを知らなくても、
測ることに興味があれば大丈夫です。
入社時に水産や海洋の知識があった人は、47 名中 12 名です。残りの 35 名は、入社してから覚えました。必要なのは知識ではなく、分からないことを分からないと言えること、そして現場に行くことをいとわないことです。
このブックを読んで、書いてあることに違和感がないなら、たぶん合っています。どこかに引っかかったなら、その部分を面談で聞いてください。ごまかさずにお答えします。
NAGI CULTURE BOOK2026.08 / 33
NAGICULTURE BOOK
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